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昨日に続き今夜はグラインドハウス復活第二弾、
ロバート･ロドリゲス監督作「プラネットテラー」。
日本ではデスプルーフ上映期間終了とともにバトンタッチ。
＜物語＞
テキサスの田舎町に軍の生物兵器の新型ウィルスが漏れ出し、
感染者が次々にゾンビと化して襲いかかる。
ダンサーのチェリーも襲われ片足を失うが、
謎の男レイに助けられ生き残った仲間達とともに軍の基地を目指す。
そしてレイの開発した特製マシンガンが
チェリーの足に接続され、ゾンビ達をなぎ倒す！
これまたタランティーノの「デスプルーフ」以上に爆笑の設定で、
実は6行も要することのない、
「片足がマシンガンの女がゾンビを蹴散らす映画」で足ります。
画像で分かるとおり、本当に太股から下がマシンガン。
これだけで本作のただならぬ狂気が感じられます。
昨今、ワンアイデアだけで突っ走る映画、というのが
アクション映画でいろいろな意味で注目されていますが、
「スネークフライト」も「アドレナリン」も裸足で逃げ出すくらいの壊れっぷり。
マシンガンが登場するのが映画のかなり後半ですが、
それまでも十分狂っていて面白いです。
70年から80年代のＢ級映画で「そこだけ印象に残る」ような
シーンがある映画は頭にこびりついて離れません。
例えば私のトラウマに近い体験「ロマンシング・ストーン」で
ナチ将校がワニに手を持っていかれるところとか、
「殺人魚フライングキラー」で屋外パーティ場で
空飛ぶ人喰い魚が逃げ惑う人々を次々に喰いちぎる場面などなど。
「プラネットテラー」はとにかくマシンガンが足につくまでは
適当に場を持たせとけ、と言わんばかりに適当です。
とにかくゾンビを撃ちまくり血飛沫とお色気。
レイは何故か全く感染の危険無しに破竹の勢いでゾンビを蹴散らし、
ベビーシッターの双子まで何故か銃撃ちまくり。
麻酔注射が得意な女に老練の保安官に、
おまけに悪の根源がブルース･ウィリスときたもんだ。
なお、ゾンビと表記するものの監督によると、
「凶暴性が増しただけで死んでいないのでゾンビではない」のだそう。
まあどっちでも大して変わりませんが。
これまで、ロドリゲス監督は作中で過去の作品のオマージュを
行って来ましたがこれは名もなき埋もれた作品達への賛歌。
この映画はＢ級映画の心に残るシーンばかり切り貼りして
一気に流している作品なのではないかという印象です。
わけがわからぬがとにかくただならぬ昂揚感に満たされる映画です。
これでシネコンではなく場末の映画館で見れば正にアングラ。
表ではないが、裏では今年のアクションの最高作。
空前絶後のガンアクションに括目せよ！！
ところで劇中、画面が突然ゆがみ「フィルム一巻喪失」と挿入され、
いきなりシーンが飛ぶところがあります。
それはレイとチェリーのベッドのシーンなのですが、
「おいおい！そりゃないぜ！」という昔の少年達の叫びが木霊した
青春の日々まで再現したロドリゲスのあくなきサービス精神に
もはや天晴れというほかありません。
ちなみに、本作上映前に「マチェーテ」という、
マントの下に無数のマチェーテを装備したメキシコ人が
政治的陰謀に復讐を決めマチェーテで敵を切りまくる作品の
予告編が挿入されていますが、これはフェイクなので期待せぬよう。
マチェーテとはインディアン等がイラストでよく持つナタのような刀
ちなみに主人公の名前もマチェーテというのですが、
これは「スパイキッズ」に登場したマチェーテおじさんの
若き日の物語だそうで。双方とも監督はロドリゲス。
全くどこまでも恐れ入ります。
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