昨日、3月21日・22日に二夜連続で放送していた
テレビドラマ「
黒部の太陽[LINK]」の録画分を鑑賞しました。
フジテレビ開局50周年記念ドラマ特別企画として製作された、
合計で4時間を超える大作です。
「黒部の太陽」、それは私にとって格別なる思いのある作品。
「黒部の太陽」は40年以上前に木本正次が発表した小説で、
富山県の黒部川に建設された
黒部ダム[LINK]建設工事を描いています。
最大規模のダム、最大級の難工事と呼ばれた完成までの道のりは、
NHKの「プロジェクトX」でも感動的に取上げられました。
また、織田裕二主演のアクション大作映画
「ホワイトアウト」のロケ地でもあります。
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しかし、「黒部の太陽」と言えばなんといっても原作を基に、
1968年に石原裕次郎が三船敏郎とともに制作した映画です。
それに纏わる伝説の数々を聞くに、ただならぬ映画と分かり、
未だに未見の私は死ぬまでには一度見たいと願うのです。
公開当時は私は生まれてすらおらず、
また、石原裕次郎の生前の意志で「スクリーンで見てもらいたい」
という言葉が没後も頑なに守られているためDVD化もされず、
かと言ってリバイバル上映も石原プロのイベント以外に
滅多にされず、年月の経過とともに幻ともなりつつある作品です。
近年、黒澤明の「天国と地獄」「生きる」や、
松本清張の「点と線」等、古き時代の名作を新たに蘇らせる試みが
テレビドラマにおいていくつか見受けられましたが、
私にはそれほど良いと思うものはありませんでした。
もちろん旧作版は大好きです。
そこへ来て「黒部の太陽」でした。
しかも主演は香取慎吾だという。
ははあ、そう来ましたか。全然楽しみではありません。
「西遊記」の過剰な番宣で私は胃もたれをおこしていたし、
1968年の映画版とは別物でと言っても、嫌でも
石原裕次郎と三船敏郎と比較すればマグロとイワシである。
おまけに放送当日の昼間から夕方にかけ、
泉ピン子(香取慎吾と親子役で出演)が番宣をしていて、
それを見てさらにゲンナリしていた次第。
それでも録画しておいて鑑賞したのは、
やはり「黒部の太陽」と名乗るためであります。
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そして鑑賞した結果・・・・なんと、驚くほど面白かった!
しかも、香取慎吾が抜群に良いではありませんか。
より原作に忠実に、とは製作側も語っているものの、
前編のクライマックスがトンネル崩落による流水事故という点、
1968年版の映画はやはり意識していると見られる。
もちろん、私は1968年版は未鑑賞であるものの、
このシーンの撮影で実際に現場でも事故が起きたという話は
作品の話題が出る度に聞いていましたし、
石原慎太郎・著の「弟」でも触れられていました。
「日本の未来のために」と鼓舞する幹部達を前に、
「俺たちはトンネルを貫通させるためだけに体張ってんだ!」
と啖呵を切る香取慎吾も、より現場の目線に近いと思いますし、
長期の工事で精神的な限界が来ている時に、
部下達に盆休みを与えたり、殉職した弟分の恋人を気遣うなど、
折々に男気を漂わせていて心地よいのですが、
最も実力を発揮しているのはメロドラマだと思います。
香取慎吾演じる熊谷組の倉松は、
関西電力・黒四建設事務所次長の滝山(演・小林薫)の
娘の幸江(演・綾瀬はるか)に一目惚れする。
しかし、彼女は熊谷組大町作業所工事課長の木塚
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