未公開映画祭(3) 「ビン・ラディンを探せ! 〜スパーロックがテロ最前線に突撃!」
2010-12-07


未公開の映画の中においても、見知った名前があることはよくあること。
そんな名前を見つけた「松嶋×町山 未公開映画祭」第3弾はこれだ!


「ビン・ラディンを探せ! 〜スパーロックがテロ最前線に突撃!」

■作品紹介
 [URL]

 原題:Where in the World Is Osama Bin Laden?
2008年 アメリカ (93min)
 監督:モーガン・スパーロック


モーガン・スパーロックという名前にピンと来た方はオメデトウ、
あなたは結構な変な映画好きの素質があると思います。
いや、そうでもないかな(どっちやねん)。

彼の名を日本に知らしめた一本のドキュメンタリー作品、
それが2004年に劇場公開された「スーパーサイズ・ミー」。
これはスパーロック自身がその身を持って検証した記録で、
30日間1日3食をマクドナルドのメニューで済ませてたら、
人間の身体はどうなってしまうのだろうか?を実証したもの。


スーパーサイズ・ミー 通常版 [DVD]
(禺画像])
実際にどうなってしまうのかは作品をレンタルで観て頂くとしまして、
その後、スパーロックは豊富なアイデアで数々のドキュメンタリーを撮影。
「刑務所で30日間」「不法移民と30日間」「無神論者と30日間」
「ニューエイジ体験を30日間」「アウトソーシングを30日間」
「人工中絶論争を30日間」etc・・・

基本的には自分自身が身を持って検証するというスタイルで、
件の「スーパーサイズミー」では医師、栄養士さんを依頼して望む姿勢と、
それをそのまま笑いに持っていくセンスを持ち、
肥満事情等の派生事項に対する考察も交えるなど、
ただのおふざけ企画とは違う何かを感じさせてくれるのですが・・・
やや胡散臭い様にも思えるのもまた魅力でもあります。

一時期はそれらのDVDがTUTAYA等でも1コーナーを形成するなど、
スパーロック旋風が吹き荒れたものですが、あの人はいま。

と思ってたところにこの映画でした。
タイトルの通り、アメリカを飛び出して彼は中東に飛び、
ビン・ラディンを捕まえることに挑んでいたらしい。

彼には子供を授かり、それによる彼の中での意識の変化があり、
子供の未来のためになることはなんだろう?安全な世界を作ることだ。
それには?色々考えてビン・ラディンを捕まえることに至ったそうな。

さあどうですか。胡散臭さがまた漂うではありませんか。いいなあ。
そういう本気で言ってるのかネタで言っているのか微妙な線が。


さて、冒頭から「これを本気で探している人達(ビン・ラディンを)が観たら
ブチ切れるだろうなあ」と思わせる悪ふざけ場面の連続でございます。
ビン・ラディンにM.C.ハマーの"倦怠期です"もとい「U Can't Touch」を踊らせ、
ビン・ラディンを倒せ!格闘ゲーム映像をわざわざ作成する悪ノリ。
そしてあらゆる予防接種を受け、語学と護身術を学び、いざ中東入り。

ふざけてるのはほんの少しなんですが、軍の人達は青筋たてちゃうかもなあ。
米政府を生ぬるいとか避難してるわけでも嘲笑してるわけでもないのですよ。
そういうところがスパーロックの誤解されやすいところかもしれません。
まあ、僕はむしろそんなところが大好きですけどね。

ドキュメンタリーは二種類に分けた場合に、
記録対象を静かに見つめできるだけ干渉しない方法、
記録対象と積極的に関わることで反応を捉える方法
という分類があると思います。
対象となるものにどちらが適してるか、どちらの手法が優れているかというよりも、
撮影者のパーソナリティによって適不適があるのではないかと最近思います。


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